印刷の品質は、印刷機の性能だけによるものではありません。
印刷機の管理やオペレータの技術力の違いにより、さまざまなエラーが生じたりします。
色調の違い
色調のずれが生じた場合
色調の管理がきちんとされていない場合、ご発注をいただいた数量の最初と最後の印刷物の色調に違いが生じることがあります。
1枚目と100枚目、1000枚目の色調が、違って見えてしまうのです。お客様が望まれる出来上がりのイメージを変えてしまうような品質になってしまうこともありえます。
またリピートの多い印刷物の場合、前回と同じデータの印刷をご発注されたとしても、前回と異なる色調で印刷されることも多々あります。
色のずれ
色のずれが生じた場合
印刷機のメンテナンスやオペレータの技術力の差によって、色のずれが生じることがあります。
例えば、CMYKのMだけ少しずれて印刷されたりすると、指定した色での印刷にならないだけでなく、ぼやけて見えてしまったりします。そんな印刷物が1000枚の中に5枚も入っていたらどうでしょうか?印刷物も安心・安全が第一と考えます。
断裁のずれ
断裁のずれが生じた場合
印刷された印刷物は、その後仕上がりサイズに断裁します。
その際、断裁をするオペレータの技術が未熟な場合には、断裁ズレが起こることがあります。周囲に紙白が見えたり、文字切れが起きたり、均等幅の個所が均等に見えなくなります。また刃のメンテナンスの仕方によっては、切り口がきれいになっていない場合もあります。
この様に、品質管理のしかたによっては、多くのエラーを出してしまうことにつながります。
高品質の印刷を望む場合は、やはり専門技術の高い会社にご依頼することをお勧めします。
弊社の掲げる「高品質」とは、こうしたエラーが無いようにすることを指しています。
つまり、徹底的に精度にこだわり管理を行っているということです。
どのような管理を行っているかを、以降で詳しくご説明します。
弊社では、お客様のご要望にお応えする中で、
「印刷品質を高めて、価格と言う尺度以外で評価をしていただく印刷会社になろう!」
と考えました。
その結果、印刷物を「工業製品」と位置づけ、ご注文をいただく物全てが同じ色調、同じ仕上がりになることを目指すようになりました。
この一見当たり前のことができていないのが印刷物でもあるのです。
そのため、「インキ濃度管理」と「色彩値管理」が必要になり、それぞれ導入することにし、現在に至っております。
色彩値管理につきましては、その日の一番誤差があった数値をtwitterにて発信させていただいております。
印刷物も安心・安全が第一。そういうお考えのお客様とご縁をいただきたいと思っています。
色彩値管理について
弊社では、印刷物の良し悪しは1.見当精度、2.一定の濃度、3.一定のインキ圧で決まると思っております。
この条件が保たれ、ご注文をいただいた枚数全てが同じ色調の製品であることが良い印刷物と考えています。
そのために弊社では、色彩値管理を行っております。色彩値とは、人間の目を物差しとして評価した数値です。色の違いを色の距離で測定します。この色の差を色差値と言い、⊿E値とも言います。例えば1枚目と1000枚目の印刷物の色差値が⊿E2.8と表現します。この色差値の数値が大きければ大きいほど色の違いがあることになります。
以下の表はJIS規格等で一般的に使用されている許容差の事例です。
呼び名 |
色差⊿Eの
範囲 |
指標 |
事例 |
識別境界 |
0.2~0.4 |
十分に調整された測色器械の再現精度の範囲で、訓練を積んだ人が再現性をもって識別できる限界。 |
JIS L 0804
JIS L 0805 |
AAA級許容差 |
0.4~0.8 |
目視判定の再現性からみて、厳格な許容色差の規格を設定できる限界。 |
|
AA級許容差 |
0.8~1.6 |
色の隣接比較で、わずかに色差が感じられるレベル。一般の測色器械間の器差を含む許容色差の範囲。 |
|
A級許容差 |
1.6~3.2 |
色の離間比較では、ほとんど気付かれない色差のレベル。一般的には同じ色だと思われているレベル。 |
JIS Z 0721
JIS Z 0809など |
B級許容差 |
3.2~6.5 |
印象レベルでは同じ色として扱える範囲。 |
色彩管理で一般的に扱われる許容色差。 |
C級許容差 |
6.5~13.0 |
JIS標準色票、マンセル色票などの1歩度に相当する色差。 |
JIS S 6006
JIS S 6007
JIS S 6016 |
弊社では、全ての印刷物がA級許容値になるよう努めており、実際にこの範囲内でお客様にお届けできております。この機会に是非一度弊社をお試し下さい。
インキ濃度管理について
濃度管理システム RYOBI PDS-E
印刷物の品質としてまず第一にあげられるのが、色合いではないでしょうか。
弊社では、このシステムを導入し、インキ濃度を数値化させ、弊社の基準数値をもとに濃度管理を行っています。
これにより、従来は、オペレーターの目と勘に頼らざるをえなかった部分が解消され、人の目で分かりづらい、もしくは分からない程のわずかな濃度差も分かるようになり、常に濃度の安定した印刷物を提供することができるのです。実際、安定感が高い、データに忠実など高い評価を頂いています。
また、再版物に関しましても、基準濃度があることで、前回と遜色のない印刷物ができ、多くの色にこだわるリピーター様に支持されています。
弊社では10年前は175線で印刷をしておりました。
その後、ご注文をいただくお客様からのご要望にお応えする中で、自然と200線印刷が当たり前になっていきました。
その理由は、ご注文をいただく印刷物の内容が、お客様のサービスや商品のイメージを高く維持する物であったためでした。
例えば毛皮のコートであったり、ブランド品や高級焼き物、宴会料理の写真等、写真の再現性は勿論、写真に写っている商品やサービスがより良くエンドユーザーに伝わらないといけないような性質の印刷物だったからです。
その後社内で検討した結果、より高精細な230線で印刷する事で、よりご満足をいただける品質をご提供したいと考えるようになり、現在では230線標準印刷をご提供しております。
勿論、用紙やデータの内容によって、それ以下の線数で印刷する場合もございます。
お客様のご要望や結果として高品質が上がる努力とご提案を欠かさないように努めております。
見当精度の向上
弊社では、一般的な見当トンボの幅よりも半分の幅に替えて見当合わせを行っております。
その結果、100分の1ミリのズレもわかるようになり、見当精度が格段に向上し、印刷物が高品質になりました。
弊社では見当精度を上げるために、見当トンボを一般的なサイズに比べより細いトンボに替えてCTPの出力をしております。よって今まで以上に、仕上った印刷物のスッキリ感が違います。
印刷機の性能も大切ですが、やはり最後はオペレーターがルーペをのぞき、目をしばしばさせながら見当を合わせていきます。この作業をするからこそ良い印刷物が出来るのです。
弊社では高品質の中には「地球に優しい印刷物であること」も含まれていると捉え、使用する用紙は環境に優しい「無塩素漂白紙」や「森林認証紙」を採用しております。
インキにつきましても、野菜を主原料としている「ベジタブルインキ」を採用しております。
「安心・安全は素材から。」そう考えます。
環境にやさしい印刷物を納めるには、印刷する環境もクリーンであるべきと考えます。
弊社では、使用する溶剤は、第一種、二種有機溶剤を使用しないのをはじめ、環境美化に努めています。